ショートステイの相談員に知っておいてほしいこと

注記
※本記事は季刊誌『地域包括ケア時代の通所&施設マネジメント』2020年8月配本号に掲載の「老老介護で主介護者が入院したことにより緊急ショートステイを利用した事例から学ぶ」(執筆者:居宅介護支援事業所 協和別所ケアプランセンター 管理者/介護支援専門員 吉井仁美)より引用しています。

緊急ショートステイ利用の現状

ショートステイは現在,在宅生活を継続し,同居する介護者・家族をサポートする上で重要なサービスとなっている。その中でも緊急ショートステイは,介護者・家族の体調悪化などや介護者の冠婚葬祭を除いたやむを得ない事情による利用が7割を超えている。

実際に筆者が緊急ショートステイをプランに入れた利用者は,虐待による避難,介護者の急な病状悪化や交通事故などにより,日課の確保ができないため支援を行っているという状況である。

ケアプラン立案で心がけていること

当事業所では,普段のアセスメント時やサービス担当者会議などにおいて,介護者が高齢である場合の緊急時の対応について取り決めを行うようにしている。特に老老介護である場合は,介護者が急変したケースなどの対応をあらかじめ利用者や介護者と話し合い,同居していない家族などとも話し合っておくことが必要である。

しかしながら,ケアプランの提案時点で考えられるリスクについては説明を行うものの,概して介護ケア計画情報者や家族からは「そのような事態への対応はその時になったら考えるから」と言われることが多く,取り決めができない場合がある。

そのため,利用者本人の日常生活に危険があることや家族が対応できないことを本人・家族に確認し,プランニング前にサービス利用を納得してもらい,その事情を踏まえて主治医の意見を確認し,支援に反映できるように心がけている。

ショートステイの相談員に知っておいてほしいこと

普段のショートステイ利用の場合は,利用者本人,家族の思いや意向をくみ取りながら検討を重ねている。しかし,緊急的な利用の場合はまず空床であることを優先し,急な対応が施設として可能かということを念頭に置いて受け入れ先を探していくことになる。まずは,利用者の安全な日常生活の確保が優先されるからである。

ショート ステイの前段階での面接などはないため,利用者の状態を見て随時対応していくことが必要な場面も多くなることが予想される。所持品の手配や使用している薬についても同様である。

24時間ごとに日常生活を区切って,情報提供はできる限り行っていくが,夜間などについては情報提供ができないこともある。その点を専門職として協働していくことが,利用者本人の意思を支えることにつながっていくのではないかと考えている。




続きは季刊誌『地域包括ケア時代の通所&施設マネジメント』2020年8月配本号をご覧ください



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