注記
※本記事は隔月刊誌『達人ケアマネ』2019年12-1月号に掲載の「参加支援から導く,利用者の意欲を高めるプレゼンテーションのコツ~ICF整理チャートを活用し,意欲を引き出し,目標を導き出すコミュニケーション」(執筆者:一般社団法人訪問リハビリテーション推進会 代表理事/大阪市城東区地域リハビリテーション事業者連絡会 顧問/訪問看護ステーションmusubi アドバイザー/株式会社夕陽紅 顧問/畷ケアサービス アドバイザー/理学療法士/経営管理修士 川北友之)より引用しています。
大川によるとICFは,心身機能・身体構造,活動,参加は各々が相互に影響を与えている相互依存性と,相互に影響を及ぼさない相対独立性の2種類の関係性があり,さらに相互依存性は図1に示す左から右へ影響を及ぼすタイプと,その逆の右から左へと影響を及ぼすタイプに分けられると述べている。
これら3つのパターンを対象者の課題によって使い分け,活用できるのがICFの特徴である。 脳梗塞で片麻痺を呈した症例を,これらの3つのパターンに分けて解説する。
①相互依存性:左から右パターン
脳梗塞(健康状態)の影響で運動麻痺(心身機能)を呈し,歩行困難(活動)になることで,職場復帰が困難(参加)となる。このパターンは職場復帰するために,運動麻痺を改善し,歩行を再獲得する以外の改善策がないと運命づけられた考え方である。
②相互依存性:右から左パターン
右から左パターンには,正と負の2つのサイクルが考えられる。一つは,職場復帰困難で(参加),活動する機会が減り(活動),その結果,筋力や持久力が低下(心身機能)するという負のサイクルである。その一方で,正のサイクルは,職場復帰する代わりにデイサービスを利用し,楽しみを得る(参加)ことで,歩行(活動)などの活動する機会が増え,その結果,筋力や持久力(心身機能)が向上するということである。ケアマネジャーは常にサイクルが正になるよう,各要素間の両方向の矢印を有効活用して考える必要がある。
③相対的独立性
運動麻痺(心身機能)を後遺症であると考え,移動手段を歩行(活動)ではなく電動車いすをレンタルする(環境因子)ことで,移動(活動)が自立し,その結果,職場復帰(参加)が可能となる。このように,心身機能の改善に依存しなくても,環境因子を活用することで活動や参加が改善するということが,相対的独立性である。病気(健康状態)に向き合い,心身機能の障害を後遺症として受け入れ,活動や参加の改善を図ること,すなわち障害受容の考えが相対的独立性の考え方であり,ICFの最大の特徴である。
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