当事業所は単独型居宅介護支援事業所といって,訪問介護事業所や通所介護事業所などの併設サービスを持たない,法人内には居宅介護支援事業所のみが存在する形態で事業を行っています。
ご承知のとおり,介護保険においてケアマネジャーは公正中立な立場で,多様な事業者から保健医療サービスおよび福祉サービスを必要とされる利用者に提供されるように努めなければなりません。
同一法人内に併設事業所がないという点で,単独型居宅介護支援事業所は介護保険においてケアマネジャーが真に公正中立な立場でいられる事業形態であると考えます。おおげさに言えば,単独型居宅介護支援事業所として運営に成功することは,ケアマネジャーとしての成功の証であると考えます。
単独型居宅介護支援事業所は,①ケアマネジャーとして「公正中立」を守れる,②利用者に対して「不必要なプランを作成しない」,③国にとっては「社会保障費の削減」ができるという3つのメリットがあります(表1)。
これらのことからも,単独型居宅介護支援事業所こそがケアマネジャーとして誇りを持って仕事ができる環境であると私は考えます。
全国の居宅介護支援事業所の中で,単独型で事業を行っている事業所は全体の約1割です。この数字は,いかに単独型居宅介護支援事業所の経営が安定しづらいかということを物語っています。
実際,単独型居宅介護支援事業所としての採算ベースは,事業所の利用者の人数が100人を超えてからやっと黒字化できると言われています(表2)。それ以降は,利用者の人数が増えるごとに利益率が上がる仕組みです。
一人のケアマネジャーが35人の利用者を担当するとして,常勤のケアマネジャーが3人いてようやく利用者100人を超えることができます。つまり,単独型居宅介護支援事業所は,常 勤3人以上の体制が整って初めて採算ベースに乗せることができるビジネスモデルなのです。
常勤3人体制が整うことで,事業所として特定事業所加算を算定できるか否かが,単独型居宅介護支援事業所の運営にとって大きな分かれ道であると考えられます。
事業所当たりの利用者人数が100人を超えて,単独型居宅介護支援事業所を安定的に経営するためには,ケアマネジャーが多く在籍できる環境を整えることが必要なのです。
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