注記
※本記事は隔月刊誌『介護人財』2020年7-8月号に掲載の「高齢者の食事情と課題」(執筆者:NPO法人口から食べる幸せを守る会 理事長 小山珠美)より引用しています。
『令和元年度版高齢社会白書』(内閣府)では、日本の高齢化率は28.1%、2036年には33.3%(3人に1人)に達し、75歳以上の割合は25.5%(3.9人に1人)になると推計されています。
超高齢社会が加速する中、複合した病気や障害により、安全に自分で口から食べることに困難を有した人々や、老衰の過程で十分な栄養や水分を摂れない人は増え続けています。
とりわけ、75歳以上の後期高齢者に多い誤嚥性肺炎は、禁食期間が長く、廃用症候群が進み、寝たきりを助長します。
また、心身が衰弱している終末期の過程にある要介護高齢者であっても、必要な栄養や水分が摂れないと経口摂取もゼロにし人工栄養のみにしてしまう傾向が社会全体にあるように思います。
その結果、人生の最期を寝たきりで食べる楽しみもないまま過ごさなければなりません。そのような悪循環が生じないようにするためにも、当事者のQOLを考慮した食支援が必要です。
要介護高齢者が増加する中、人生の最期まで食べる楽しみを持ってもらえるようにと取り組んでいる施設や介護職も増えています。
その一方で、マンパワー不足も相まって、「食事介助」が誤嚥を引き起こす危険なものであると考え、人工栄養や医療に依存する傾向があることも否めません。
さらに、飲み込みに時間がかかる、むせるというだけで、一律にゼリー食、ミキサー食、刻み食、とろみ水などとし、彩りや味への考慮が不足した環境で食事に関する介護を受けている場面も少なくありません。
食事支援においては、表の項目を各自がチェックしてみると、実態が見え、関係者で共有できるポイントとなります。
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