ケアマネジャーとして知っておきたい災害に関する知識

注記
※本記事は隔月刊誌『達人ケアマネ』2020年2-3月号に掲載の「災害時におけるケアマネジャーの対応」(執筆者:公益社団法人京都府介護支援専門員会 常任理事/京都DWAT東山・山科・醍醐エリアチーム員/京都社会福祉士会 地域包括ケア 共生社会委員会 副委員長/主任介護支援専門員/社会福祉士/介護福祉士 堀田裕)より引用しています。
災害に関する最低限必要な知識を持っておくことが重要である。例えば,災害に関する用語,避難所種別の理解,災害救助法の適用とは何か,り災証明書の申請手続きなどは押さえておいた方がよいと考える。

●災害に関する用語

災害に関する用語でいうと,「注意報や警報,特別警報」,避難に関する3つの種別「避難準備情報,避難勧告,避難指示」のそれぞれの意味することを押さえておく必要がある。

●避難行動

避難行動には次の2種類がある。
垂直避難:外に出るのが危険な場合に,頑丈な建物のなるべく高い場所への移動を行う屋内安全確保垂直避難
水平避難:危険な場所から離れる立ち退き避難
また,避難所にもいくつかの種類があるため,それらを整理しておくことも必要である 。

●災害救助法の適応

被災した利用者については,災害救助法の適用市町村の住民かどうかや,ある一定の要件に該当すれば,窓口などでの申告により,医療保険の窓口負担や介護保険の利用料について支払いが不要となる場合もある。相談援助職であるケアマネジャーとしてそのようなことを知っておくことも重要である。

●り災証明書の手続き

り災証明書などの申請については,生活を再建していく上で大切な手続きになる。そのため,申請するために必要な申請書類などをあらかじめ市町村のホームページなどで確認しておくことをお勧めしたい。
り災証明の申請や保険関係の手続きには,被災した状況を撮影した写真が必要になる場合がほとんどである。被災した自宅をすぐに片付けたくなると思うが,自宅を片付ける前に被災した自宅(自宅内外)の写真をあらゆる角度から撮るなどして,被災状況が分かる証拠を残すようにするのも重要であることを知っておいてほしい。

●利用者への対応をトリアージしておく

事業所における準備として,複数のケアマネジャーが所属する事業所であれば,日頃から担当する利用者についての情報交換を行うことが重要である。また,災害時に利用者への対応が一目で分かるように,ケースファイルにシールなどで区分(トリアージ)しておくことも大切である。事業所内でルールをつくり,事業所内で協力して対応できるような体制を整えておくことが重要である。

トリアージの考え方については,「一人暮らしである」「寝たきりの人である」「ハザードマップに記された危険な場所に住んでいる」など,事業所の中でその地域などに合った優先順位を定めておくとよい。最も大切なのは,いざという時に,担当するケアマネジャーだけが対応できる体制でなく,事業所に所属するケアマネジャー全員が対応できる体制を整えておくことである。

ケアマネジャーが1人しかいない事業所の場合は,地域にあるほかの事業所と日頃から交流する機会を持つと共に,いざという時の協力体制について話し合っておくなどの関係性を構築することができれば,自身の安心感にもつながるのではないかと考える。

(※続きは隔月刊誌『達人ケアマネ』2020年2-3月号よりご覧ください。)

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