介護現場に潜む倫理的問題とは

注記
※本記事は隔月刊誌『介護人財 』2019年7-8月号に掲載の「介護現場で生じやすい倫理的問題と介護倫理」(執筆者:杏林大学 保健学部 准教授 角田ますみ)より引用しています。


介護現場には、さまざまな倫理的問題が潜んでいます。

全国の介護老人保健施設に勤務する介護福祉士に対して筆者が行った調査では、問題の特徴として、

①名前の呼び捨てや乱暴な言葉遣い、スピーチロックや不必要な身体拘束などの「援助者の行為自体が倫理的問題となっている」こと、

②集団生活による制限、利用者本人に合わせたケアが提供できない、ケアが職員の都合に影響されるなど「利用者本人に合わせたケアや生活援助が行えていない」こと、

③入浴、食事、排泄などの「3大介護場面が倫理的問題に直結しやすい」こと

など、施設内部の問題が挙げられています。

また、

④利用者と家族の意向が異なる、相続などの問題で家族が利用者の延命治療を望む、施設の上司が家族の意向ばかり尊重する

など「利用者の意向を尊重できない」ことに悩むケースも多くあります。

皆さんにも心当たりがあるのではないでしょうか。

これらを踏まえると、介護現場の倫理的問題は、利用者の生活援助や意思決定支援にかかわることが多いと言えるでしょう。

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