事業所の規模や特性に応じた稼働率の改善を!

注記
※本記事は書籍『利益を生み出す相談員の段取りと実践』(著者:社会福祉法人恩賜財団済生会 特別養護老人ホーム淡海荘 介護課長/社会福祉士/介護支援専門員/介護福祉士/博士(社会福祉学)口村淳)の巻頭言より引用しています。

生活相談員(以下,相談員)の業務は多岐にわたります。俗に「何でも屋」といわれることもあり,相談援助(ソーシャルワーク)はもちろん,施設によっては送迎,受診の付き添い,会議や社内研修の運営,直接的な介護の補助などを業務の範囲としているところもあります。

しかし昨今,相談員の周辺環境が変わってきていると実感します。度重なる制度改正や報酬改定をはじめ,施設・事業所数の急増による地域での利用者獲得競争など,それらによって経営を取り巻く環境が厳しくなってきているのも事実です。

質のよいサービスを提供するには,経営基盤が安定していることが重要となります。とはいえ,介護サービスの特徴として,際限なく収益を上げることはできません。具体的には,各施設・事業所の定員を上限とし,稼働率の維持および向上を目指すことになります。こうした風潮を反映し,相談援助だけではなく,経営的な業務にかかわっている相談員も多いのではないでしょうか。

これまでに,相談員の業務に関する書籍やマニュアルについては数多く出版されてきました。筆者も,そこから多くのことを学びました。しかし,その中心は相談援助や実務に関する内容であり,経営的な内容については,十分に紙幅を割かれていないのが実情です。筆者も,「上司に稼働率を上げるようにいわれたが,どうすればよいのかわからない」「相談援助については学校や研修で習ったが,経営やマーケティングのことは誰にも教わったことがない」といった周囲の声を耳にします。

そこで本書では,相談員業務における「利益を生み出す」(経営的な業務)という部分に焦点をあて,その考え方やノウハウを紹介したいと思います。

ただし,「利益を生み出す」といっても相談員として現場を無視するわけにはいきません。稼働率管理は現場とうまく折り合いをつけ,連携しながら進めていくことが重要だからです。本書では,稼働率管理を進める上での心構えとして,現場との連携のあり方についても言及します。

本書は,特別養護老人ホーム,ショートステイ,デイサービスの相談員を対象としています。ただし,施設・事業所の経営的な業務にかかわっている職種(例えば,経営者,管理者,介護主任,看護主任,介護老人保健施設の支援相談員など)に読んでいただいても通用する内容となっています。

本書は全編にわたり,見開きで【文章解説+図表解説+ポイント整理】という構成となっており,より理解度を深める工夫を凝らしています。【文章解説】を読むだけでなく,【図表解説】を眺めるだけでも各編の主旨を理解できますし,また読む時間がないという方は,【ポイント整理】の箇所を流し読みするだけでも要点がつかめると思います。

まず第1章では,導入部分として,相談員業務における「利益を生み出す」部分に焦点をあて,それらの業務を上手に進めていく上での考え方や心構えについて言及しています。

そして第2章の「段取り編」では,マーケティングといった観点から,施設・事業所における稼働率の維持・向上に向けた戦略の立て方について解説しています。

それを受けて第3章の「実践編」では,今日から実践できる施設・事業所での稼働率管理の具体的なテクニックを紹介しています。

最後に第4章では,稼働率対策を実践していく上で必要となる施設・事業所経営(マネジメント)におけるリスク管理の重要性について述べています。

本書は,読者の関心に沿って,どの章から読み進めていただいても理解できるように配慮しています。

2018年3月
口村 淳




著者/口村 淳
博士(社会福祉学)
社会福祉法人恩賜財団済生会 
特別養護老人ホーム淡海荘 介護課長
社会福祉士/介護支援専門員/介護福祉士
B5判 2色刷 128頁 定価 2,223円+税(ISBN 978-4-7760-1857-5)
事業所の規模や特性に応じた稼働率の改善!
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