機能訓練指導員にも説明能力が求められる

注記
※本記事は書籍『デイサービス機能訓練指導員の実践的教科書』(著者:株式会社アクティブサポート 代表取締役/心身機能訓練・レクリエーション研究所 所長/作業療法士/主任介護支援専門員 藤田健次)の巻頭言より引用しています。

 2018年度介護報酬改定の全体像を把握するには,まずは以下の4つを理解する必要があります。

1.「地域包括ケアシステム」の推進
 中重度の要介護者も含め,どこに住んでいても適切な医療・介護サービスを切れ目なく受けることができる体制を整備
2.自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
 介護保険の理念や目的を踏まえ,安心・安全で,自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスを実現
3.多様な人材の確保と生産性の向上
 人材の有効活用・機能分化,ロボット技術等を用いた負担軽減,各種基準の緩和などを通じた効率化を推進
4.介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保
 介護サービスの適正化・重点化を図ることにより,制度の安定性・持続可能性を確保

2018年度介護報酬改定においては,1時間ごとの単位設定やADL維持等加算など,デイサービスにおけるサービスの質向上につながる内容が出てきました。デイサービス事業所は収益減となるところが多く,自立支援の理念に基づいて個別機能訓練加算(l)・(ll)を両方算定できるサービスを提供する事業所も増えてきました。

利用者にとっては,デイサービスに行くと機能訓練や入浴,物理療法など,することが多くてのんびりと座っていられないと感じる方も増えていることでしょう。

心身機能や生活機能に関する個別機能訓練を行うことで,利用者のADL能力を維持できている事業所は,優良事業所として認められ,次年度に加算報酬が得られます。事業所としては,優良事業所となるべく,不断の努力が求められます。
また,興味・関心チェックシートや居宅訪問チェックシートなどで得られた情報や口腔内の状況,服薬状況,栄養状況,排泄状況などをケアマネジャーに提供し,個別機能訓練加算やその他加算に関連する日常生活上の解決すべき課題(ニーズ)を導き出してもらう必要がありますので,ケアマネジャーとの連携もこれまで以上に重要となります。

今は機能訓練指導員にも説明能力が求められています。利用者や家族にADL能力向上に関する訓練の内容を説明し,自宅で自主訓練を実施するように分かりやすく依頼しなければなりません。生活相談員や管理者などの協力を得ながら,説明をする能力の向上も目指しましょう。

2018年12月
藤田健次



著者/藤田健次
株式会社アクティブサポート 代表取締役
心身機能訓練・レクリエーション研究所 所長
作業療法士/主任介護支援専門員
A4判 448頁 定価 6,000円+税(ISBN 978-4-7760-1879-7)
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