介護予防プランって,どのように書けばよいの?

注記
※本記事は書籍『本人を動機づける介護予防ケアプラン作成ガイド』(著者:ケアタウン総合研究所 代表 高室成幸/ふくしの人づくり研究所 所長 奥田亜由子)の巻頭言より引用しています。

「介護予防プランって,どのように書けばよいのでしょうか?」
「プランにかかる時間と手間が煩雑で…。何とかなりませんか?」

 地域包括支援センターの職員やケアマネジャーの皆さんから,このような相談を受けることが増えました。これは,介護予防事業が市町村の独自事業となり,都道府県レベルでの研修が開かれなくなったせいかもしれません。

 要支援の状態の高齢者はフレイル(容易に健康障害につながる心身の脆弱な状態)とされ,このフレイルは身体的要素,精神的要素,社会的要素の3つが互いに影響し合っています。これらの要素に適切な介入と支援を行えば,生活機能の改善・維持・向上は可能であるとも言われています。これまでは自助支援が中心でしたが,本人のモチベーションが続かないことも多く,近年は互助で自助を支え,地域で健康寿命を伸ばすための取り組みが全国の市町村で始まっています。

 市町村の高齢化率を抑制することは難しくても,市町村がフレイルにある高齢者にアプローチしたことで,要介護認定率の改善や介護保険料の据え置き・低下を実現させた例もあります。この要支援高齢者へのアプローチこそが,介護予防ケアマネジメントなのです。

 本書をまとめるに当たり,現場の悩める声を積極的に聴き取り,実際の介護予防プランを100ケース以上読み込み,次の3つをコンセプトにしました。

・面接の効率化:アセスメントとプレ・プランニングを本人と共に行うことで,リスクの意識化を図り,「私の予防プラン」の意識づくりを目指す。
・個別性に着目:基本チェックリストと興味・関心チェックシートをアセスメントシートとして活用し,「本人らしさ」があふれる予防プランをつくる。
・意欲の動機づけ:ポジティブな目標と自助・互助・共助を具体的に位置づけ,本人とケアチームが高いモチベーションを維持して取り組める自立(自律)支援を目指す。

 本書が目指す介護予防プラン(介護予防サービス計画書)は,本人がまだ意識していないリスクも含めて整理・見える化し,本人(家族)が健康な暮らしを取り戻すために,ケアチームと共に前向きに着実に取り組める「アクションシート」です。そして,介護予防のステージを通して,やがてやってくる要介護となった時の「私の生き方準備」をするきっかけになることも目指しています。

 本書が全国の介護予防ケアマネジメントにかかわる専門職のスキルとモチベーションを向上させると共に,利用者の自立(自律)支援に資することを願っています。

  2019年3月
高室成幸


著者/高室成幸  ケアタウン総合研究所 代表
著者/奥田亜由子 ふくしの人づくり研究所 所長
B5判 208頁 定価 2,593円+税(ISBN 978-4-7760-1872-8)
本人の「やってみたい!」を支援する
2つのスキルを身につける!
・利用者を動機づける意欲を引き出すアセスメント手法
・課題を本人らしい目標につなげる質問展開法
基本チェックリスト+興味・関心チェックシートを使いこなして
本人が納得の自立支援型予防プランが完成!
■詳細およびご注文はこちらから!
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https://www.nissoken.com/book/1872/index.html


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