サービス提供責任者による中間評価(モニタリング)

注記
※本記事は隔月刊誌『訪問介護サービス』2019年5-6月号に掲載の「サービス提供責任者の仕事術~より良いサービス提供のために」(執筆者:社会福祉法人ケアネット やよいほうむ 施設長 介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員 石橋亮一)より引用しています。

モニタリングとは何か

皆さんに伺います。モニタリングとは何でしょうか?

介護サービス全般の傾向でもありますが,「インテークやアセスメントの実施」「サービス担当者会議への参加」「訪問介護計画の作成」「計画に沿ったサービス提供」などといった一連の介護過程の中で,このモニタリングが十分に行えていない状況が見受けられます。

介護過程の展開を含む指定基準は,2000年4月に介護保険制度がスタートした段階から存在し,モニタリングも当初から行うことが求められてきました。ですが,なかなか十分に行えないまま今日に至っている事業所(者)もあるようです。

都道府県など行政も,サービスを提供する事業所(者)が,最初からパーフェクトに介護過程を展開することは見越していなかったのか,これまでは寛容な面がありました。しかし,介護保険制度が始まり十数年が経ち,最近の監査・実地指導では,「もういい加減,介護の専門性および法令遵守の視点で,しっかりサービスを提供してください」というメッセージが伝わってきます。その具体的な指摘事項として,「経過記録」や「モニタリング」を挙げることができます。

モニタリングは,「訪問介護計画と計画に沿ったサービスの実施状況の把握」のことを言います。モニタリングは,サービス提供責任者が,サービスを提供する時間帯以外の時間,またはホームヘルパーがサービスを提供している時間帯に利用者の居宅を訪問し,利用者本人に面会して行う「中間点検(中間評価)」と覚えてください。

改めて伺います。そのようなモニタリングを行ってきましたか?

モニタリングを行う時期と内容

モニタリングを行う時期について,以前の介護予防訪問介護にかかる指定基準では,要支援者(要介護度が要支援1・ 2の利用者)において,「介護予防訪問介護計画の目標の期間が終了するまでに,少なくとも1回行うこと」と規定していました。

要介護者(要介護1~5の利用者)には,このような具体的な規定はありません。ですが,監査・実地指導においては,都道府県などにより指摘内容に異なる状況が見られるものの,かつての要支援者と同様に,要介護者についても,「利用者の要介護認定の有効期間, すなわち,ケアプランと訪問介護計画の長期目標の期間が終了するまでに,少なくとも1回以上行う(例えば,有効期間が6カ月であれば3カ月目くらい,12カ 月であれば6カ月目くらいに行う)」ことを求める傾向があります。

モニタリングは,利用者の満足度調査のような性格も併せ持っていることを踏まえると,すべての利用者に対して行うべき大切な取り組みと言えます。また,モニタリングは,「訪問介護計画と計画に沿ったサービスの実施状況を把握する」わけですが,具体的にどのような内容についてモニタリングすればよいか,ということについて規定はありません。アセスメント用紙のような,専用の用紙がなくてもかまいません。モニタリングの結果は,経過記録に記せば十分です。

一方で,モニタリングも,介護過程においてはアセスメントなどに匹敵する大事な取り組みです。資料1のようなチェック形式の用紙を用い,各項目に漏れがないようにサービスの実施状況を把握することが大切です。


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